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(3/10) コッカプリントテキスタイル賞
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世界で通用する新人テキスタイルデザイナーを求め、創設されたコッカプリントテキスタイル賞の受賞作品展「インスピレーション」が東京・表参道のギャラリー「ROCKET」で2月18〜23日、開かれました。1948年創業の生地メーカー、コッカが主宰する賞の第1回目。このイベントでは受賞作品を展示してありました。
行った理由の一つは、審査員リストの中に、私の好きなアリタマサフミ氏の名前があったからです。彼はテキスタイルデザイナーでグラフィックデザイナー。以前見た彼の作品はかわいらしいウズラやウズラの卵を描いたグラスや壁掛け布など、いずれも温かみを感じさせる作品でした。
応募数1628点の中から選ばれた大賞受賞者のフタミユキ氏は可憐で華やかな花柄をダークに演出していました。でも、私が気に入ったのは、大賞ではない2作品でした。
一つは優秀賞の小倉さやか氏の作品「a sunny day」です。大きな布1枚が一つの物語になっている作品です。鳥や蛇など森の中の動物たちが主役。色は水彩画で描いたようなやわらかいオレンジやイエローが中心です。布1枚1枚が物語になっているので、途中でカットすると絵が切れてしまいます。だから、洋服にするより、カーテンやテーブルクロスにするのにとてもいいなと思いました。
もう一つは佳作の浅野理恵子氏の作品「銀座」「東京タワー」です。「銀座」は月と銀座和光をモチーフにしています。「東京タワー」は東京タワーが題材。両方とも東京のシンボルをレトロにプリントして仕上げていました。
こちらは総柄プリントで、1枚の布にたくさん柄が入っているので、どこをどう切っても大丈夫。ワンピースやスカートなどの生地に使ったら素敵だろうなと感じました。
ファッションデザイナーに比べれば地味な印象のあるテキスタイルデザイナーですが、ファッションを進化させる大事な仕事です。ぜひ、この新しい賞をステップに、世界的なテキスタイルデザイナーが誕生してほしいと思います。
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